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映画【ミッドサマー】より楽しむための【ヘレディタリー】解説・考察

ホラー映画の夜明け

2018年、「現代ホラー最高傑作」の評価を欲しいままにした、ヘレディタリー 継承。これをデビュー作で撮ってしまったホラー界の貴公子、アリ・アスター監督。サンダンス映画祭で監督賞を受賞、気鋭スタジオA24が放ったホラー映画は、新時代の到来を告げるものだった。ヘレディタリー観賞時、誰もが体験したであろう、未体験な新鮮な怖さ。ふたたびこの感覚を味わうためにも、ヘレディタリーを咀嚼し直す必要がある。

 

目次

ミッドサマーへ継承される10の要素

 

ミッドサマーはヘレディタリーを

見てからじゃないと

楽しめない?

 

監督が同じというだけで、

関係性はない新作映画。

 

しかし、

より楽しむためには、

ヘレディタリー鑑賞は必須。

 

ミッドサマーにも、

継承されているであろう

ヘレディタリー要素を予想。

 

そんな予想をヘレディタリー 継承のブルー

レイの特典映像に収録の監督・キャストの

インタビューなどからひも解く。

 

ミッドサマー予告

 

継承される要素①予想できない恐怖

 

ヘレディタリーでは、

闇の描写・暗闇のシーンを多用して、

予想できない展開に、

拍車がかかっていた。

 

しかし、

今回のミッドサマーでは、

その一歩上をいく、真逆の設定。

 

太陽が沈まない白夜、

スウェーデン奥地の村。

そこで祝祭感がある

開催される90年に一度の祝祭。

 

美しい花々が咲き誇り、

やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、

まさに楽園に思えた。

 

そんな状況下での惨劇を描く、

フェスティバル・スリラー。

 

今回も全く予想ができない恐怖が

待っているのは間違いない。

 

鑑賞前の現在、

雑誌のインタビュー等により

わかっている3つの要素

 

継承される要素②カタルシスを感じる映画

 

ヘレディタリーとミッドサマーはどちらも

最悪の状況から脱し、

精神の解放・自由を得る

一種のハッピーエンド。

 

継承される要素③カルト宗教の要素が色濃い

 

徹底的に研究された、

謎めいた儀式やオカルトが好きな

アリ・アスター監督らしいさが

表れている。

 

継承される要素④ゴア描写が強烈

 

観客が衝撃を共有できるように、

衝撃的で生々しい、

トマウマを焼けつける。

 

継承される要素⑤ホラー的魅力のあるキャラクターの発掘

 

強烈なビジュアル系の2人。

 

夢にででてきそうな、トニ・コレットが演じる

母親アニーの顔芸。

 

また、その娘役チャーリーの顔も怖い。

 

映画公開用のポスターを見たときから、

チャーリーの顔は、特殊メイクやCG

加工をほどこていると思っていたのに、

特殊メイク、CGなしの天然ホラー顔。

 

ミッドサマーでも、ホラー的な魅力ある

キャラクターのキャスティングが予想できる。

 

継承される要素⑥何かしらのジャンル映画

 

ヘレディタリーは、

大きな音でびっくりする系ではない、

精神的に追いつめられる恐怖、

「救いがない」映画。

 

暗黒ホームドラマの系譜最前線、

頂点に君臨している。

 

しかし、

ヘレディタリーは

暗黒ホームドラマの皮をかぶった

悪魔映画ジャンルだった。

 

そのため、

今回も何かしらの

ジャンル映画であるのではないか

という予想が出来る。

 

継承される要素⑦ミニチュア問題

 

ミニチュアハウスが意味していたものは、
グラハム一家は、悪魔パイモンの「ドール」
にすぎないこと。
 
アニーがミニチュアハウスを作っていたが、
パイモンによって、作らされていたとも見る
ことができる。

 

ヘレディタリーが、ミニチュア模型を

メタ視点的に使っていたのだから、

ミッドサマーでも、何かしらの美術等が、

キーポイントとなる予想できる。

 

継承される要素⑧独特な音・音楽の使い方

 

一番気になる音としては、チャーリーが

鳴らす『コッ』の舌鳴らし音。

 

これは公式サイトにある「完全解析ページ」

の見解では、チャリーには最初から悪魔が

宿っている設定を音で表現していること。

 

また、主人公一家の会話シーンなどで、

ブーンという重低音が流れるサウンド

デザイン、音響演出がされている。

 

そして、クライマックス。

 

戴冠式で流れる、『司祭ザドク』が使われ、

カタルシスの到来が始まる。

 

エンドロールでは、ジュディー・コリンズの

「Both Sides Now」。

(邦題:青春の光と影)

 

この曲が流れろことで、

カタルシスは最高潮を迎える。

 

トイ・ストーリー4の予告編でも、

使われたこの曲。

 

歌詞の意味を考えると、

意外にもどちらの映画にもぴったり。

 

〜Both Sides Nowの歌詞の意味〜

 

ものごとを表と裏の両側からながめて

みても、自分が思っていたのは、幻の

記憶で、本当は何もわかっていなかった

 

音や音楽の使い方については、

当然こだわってくるであろうことが

予想するに易しい。

 

継承される要素⑨何度も観たくなる中毒性の高い傑作ホラー

 

全てのシーンに意味があり、繊細に

つくりこまれ、緻密な構成の作品。

 

ブルーレイの特典映像でアリ・アスター

監督が言っている。

  

「作りたかったのは、観た人を悩ませ、

しばらく心に残って、すぐにはとり払え

ない映画。」

 

また、ブルーレイの特典映像での

ピーター役のアレックス・ウルフが語っている。

 

「死ぬまで体に染みつく映画」だ。

 

今回のミッドサマーでも間違いなく、

この精神は引き継がれるだろう。

 

継承される要素⑩神がかった過去作品の組み合わせ

 

ヘレディタリーを観て連想した映画のあれこれ。

 

エクソシスト』『エクソシスト3』他

エクソシスト的表現が見られ、オマージュ

シーンも多い。

 

mihocinema.com

 

mihocinema.com

 

『シャイニング』

冒頭のミニチュアハウス演出や悪霊により、

ジャック・ニコルソン的に

顔芸が狂気を帯びていく。

 

mihocinema.com

 

ウィッカーマン

異端教徒たちによる恐怖。

 

mihocinema.com

 

ローズマリーの赤ちゃん

悪魔崇拝者たちが登場する。

 

mihocinema.com

 

雨月物語」や「鬼婆」といった、

アリ・アスターが影響を言及している

日本の古典ホラーの大傑作。

 

mihocinema.com

 

mihocinema.com

 

ヘレディタリー/継承 作品概要

原題:Hereditary

製作:2018年(アメリカ)

時間:127分

監督:アリ・アスター

脚本:アリ・アスター

音楽:コリン・ステットソン

撮影:パヴェウ・ポゴジェルスキ

編集:ジェニファー・レイム

     ルシアン・ジョンストン

 

ヘレディタリー/継承 あらすじ・ネタバレ

ヘレディタリー



画像の引用元:IMDb公式サイトより

アイキャッチ画像含む・以下同様)

 

※リンクの引用元:MIHOシネマ公式サイトより

  映画ライフを爆上げするMIHOシネマの便利な使い方は↓

www.narcos.site

 

※この映画のタイトル

「ヘレディタリー」は遺伝性を意味する。

   グラハム 一家の血筋をめぐる物語。

 

あらすじは、ざっくり以下の通り。

ネタバレあり。

 

1.主人公一家の祖母エレンの葬式からはじまる

 

※この映画は主人公が定かではない。

あえていうなら、「グラハム 一家」が主人公のために、

このような表記にしている

 

2.妹チャーリーが事故死

 

3.父、母、犬まで犠牲になり、

グラハム一家は壊滅状態。

 

4.唯一生き残ったピーターだったが、最後は殺されてしまう。

 

全てはカルト的な悪魔崇拝たちによって、

仕組まれていたものだった。

 

ピーターの死後、その肉体に、

悪魔ペイモンが憑依する(継承)。

 

ヘレディタリー/継承 キャラクター紹介

 

アニー・グラハム

ヘレディタリーアニー・グラハム



感情の起伏がはげしい、

ミニチュア模型をつくるアーティスト

「グラハム 一家」の母。

キャスト:トニ・コレット

吹き替え:藤貴子

 

ティーブ・グラハム

ヘレディタリースティーブ・グラハム

 

家族想いな「グラハム 一家」の父。

アニー・グラハムの夫。

キャスト: ガブリエル・バーン

吹き替え:仲野裕

 

ピーター・グラハム

ヘレディタリーピーター・グラハム

 

「グラハム 一家」の長男。

マリファナ常習者。

 

キャスト:アレックス・ウルフ

吹き替え:小田柿悠太

 

チャーリー・グラハム

ヘレディタリーチャーリー・グラハム



「グラハム 一家」の娘、ピーターの妹。

内向的な母親譲りのアーティスト。

 

キャスト:ミリー・シャピロ

吹き替え:小若和郁那

 

ジョーン

ヘレディタリージョーン

 

アニーに近づく、いい人そうなおばちゃん。

実は悪魔崇拝者。

 

キャスト:アン・ダウド

吹き替え:仲村かおり

 

エレン・リー

ヘレディタリーエレン・リー



「グラハム 一家」の祖母。アニーの母。王妃。

 

ヘレディタリー / 継承 (解説・考察)

 

怖さの神髄をひもとく。

 

個人的な見解だが、

史上最凶のホラー映画、

エクソシスト1・3とシャイニング。

 

この組合わせの妙だと思われる。

 

エクソシストは公開当時、

全米大パニックを引き起こした。

 

エクソシスト3は、原作者ウィリ

アム・ピーターブラッディが監督。

(個人的にはこの映画が一番怖いと思っている)

 

シャイニングは恐怖演出の計算による、

ホラーの恐怖度数を表す数式によると、

歴代No.1。

 

この2作に加えて、ローズマリー

赤ちゃんや、ウィッカーマンによる、

カルト宗教の暴走を加えていくことが

現実に根差した恐怖となる。

 

もちろん、アリ・アスター監督のセンス

・感性があってこそなせる業(わざ)。

 

加えて、和製ホラーの大傑作まで取り入れる抜かりのなさ。

 

今回も過去の作品の絶妙な組み合せが

あると思われる。

 

ベルイマン好きだから、スウェーデン

舞台という情報もある。

 

ミッドサマーはサイケリックドラック

の影響下にあり、クライマックスは、

ドクターストレンジみたいにリアルな

トリップ表現があるという。

 

まとめ

 

ミッドサマーへ継承される10の要素

 

①予想できない恐怖

カタルシスを感じる映画

③カルト宗教の要素が色濃い

④ゴア描写が強烈

⑤ホラー的魅力のあるキャラクターの発掘

⑥何かしらのジャンル映画

⑦ミニチェア問題

⑧独特な音・音楽の使い方

⑨何度も観たくなる中毒性の高い傑作ホラー

⑩神がかった過去作品の組み合わせ

 

これらを意識して観ると、

ミッドサマーが「より楽しめる」のでは。

 

今回紹介した作品の

ブルーレイ・DVDは、

こちら。

 

今後、

間違いなく

プレミア必須。

いまのうちにゲット↓

 

・ヘレディタリー/継承(2018年)

by カエレバ

【特典映像】

監督他スタッフや、
トニ・コレットたちキャストによる、
製作裏話を語るインタビューが、
40分以上収録。
 
・「ヘレディタリー」の真実(20分)
・未公開シーン(16分)
・とらわれた家族たち(6分)
・予告編集(2分)

 

【封入特典】
・アウタースリーブ
・ポストカード2種
 

エクソシスト・アンソロジー(1973年〜2004年)

エクソシスト全作品がコンプリート

されたディスク6枚組パッケージ。

 

エクソシスト1作目は、オリジナル

版とDC版、日本未発売のドミニオン

まで収録。

 

特に、大好きなのがエクソシスト3

 

原作者自らが映像化した1作目の正統

続編は、トゥインクルトゥインクル

・キラーカーンの如く、ためて×3 大

爆発させる最狂ホラー演出。

 

宗教・死生観・犯罪心理学の要素を見事

に昇華させた最凶スリラー仕立ての完成度。

 

シリーズの3作品目の中で最強だし・エクソ

シストシリーズでも、最恐映画の完全体。

 

・シャイニング(1980年)

 

 こちらは米公開版の143分版。


国際版119分、

米公開版の143分版、

プレミア時の146分版(日本未ソフト化)。

 

143分版のカットシーン研究は

楽しいものの、惜しむらくは映像。

 

リマスターされてないから、せっかく

の映像美を発揮出来ず、非常にもったいない。

 

シャイニングは、ホラーの恐怖度数を

表す数式で歴代No.1。

 

数式はもちろん個人の差はあるし、

映画を数値化するなんてナンセンス

だが、参考まで。

 

ウィッカーマン(1973年)

 

特別完全版本編99分。

 

独自宗教が信仰され、

いけにえ文化が残る

スコットランドの孤島。

 

行方不明の少女を捜しに訪れた

警部が奇妙な島民と孤軍奮闘。

宗教観が色濃く反映されている。


島の主サマーライズ卿に

扮したクリストファー・リーは、

本作が自身のベストアクトとの

記録もある怪演は見所の一つ。

 

しかしながら、

この映画の最大の特異点は、

異教徒文化の風習・信仰・規律が

取り入れられて描かれる。

 

独特の雰囲気ある

画と音の表現の延長線には、

これまでキリスト教が、

他教徒の弾圧を繰り広げてきた

悪行に対するアンチテーゼがテーマの、

反逆のカリスマ映画。


特別完全版を推奨する。

 

ローズマリーの赤ちゃん(1968年)

by カエレバ

 

実際に起きたシャロン・テート殺人事件と、

映画内容がリアルタイムで、クロスオーバー

していた意味でも、アンタッチャブルにして

伝説的な映画。


また、ダコタハウスでの撮影等いわくつき

つきの1本だし、悪魔の赤ちゃん系譜の原点。

 

ミア・ファローが美人過ぎる妊婦を熱演。

 

ローズマリーの赤ちゃんは、悪魔の赤ちゃん

系譜といいつつも、いわゆる残酷描写はなくて、

人間心理(サタニスト)の怖さを描いた作品。


ダコタ・ハウスのオープニングショット、

ミアファローが歌うテーマ曲、幻想表現、

セットも衣装もキマっている。

 

ホラーの古典なんだけど、超オシャレ映画

でもあり、兼ね備えたポテンシャルの高さ

から、孤高の存在に位置している。

 

雨月物語(1953年)

 

日本映画の三大巨匠のひとり、溝口健二

1953年大映

 

スコセッシがオールタイムベスト10にあ

げていたり、古くはゴダール、最近では
アリ・アスターらも影響を言及し、ヴェ

ネツィア映画祭では銀獅子賞受賞。

 

世界に誇る日本映画の最高傑作の1作。

 

白黒の幽玄な映像美は、以降溝口作品と

の連携が多くなる、当時大映の日本が誇
る名撮影監督宮川一夫による賜。

 

特に、霧が立ち込める琵琶湖で船を漕ぐ

シーンは、誰もが息を飲み、脳裏に焼き
つく美しさは別次元。

 

早坂文雄の音楽とも融合し、全編日本の

形式美で貫かれている。

 

小津、黒澤映画でも主演を務めた京マチ

子は、文字通り森雅之を食ってしまって

いる存在感。

 

京マチ子なしでは、この映画が成り立た

たない。

 

そのぐらいの説得力があり、男を狂わせる

妖艶さが際立っている。

 

溝口健二の美への徹底追及は、本作の前

後と合わせ同映画祭で3年連続受賞を成し

遂げる快挙を果たしている。

 

溝口作品には、ある種の崇高なものに対す

るのに似た、畏敬の念を抱かずにはいられ

ない。

 

マイベスト溝口健二映画。

 

by カエレバ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
・鬼婆(1964年)
by カエレバ

時は戦国時代だけど、まるで原始時代。

 

本能的欲求が先行している世界で、人間の

剥きだしの業の姿が描かれる和製ホラーの大

傑作。

いつ終わるとも知れぬ乱世を生き抜くため、

理性というタガが外れてのやりたい放題状態。

飢えた体と心を満たすための、落ち武者狩り

で衣類を剥ぎ取り、動物的欲求のおもむくま
まに純粋な肉欲をむさぼりあう男女。

ゆらゆら揺れるススキが、登場人物の心理状

態に合わせた凝った演出が織り込まれている

のも印象的。

林光の打楽器主体の音楽も、世界観を増強さ

せている。

新藤兼人が性へのタブーに切り込み、アリ・

アスターも言及しているが、ヘレディタリー

にも大きく影響を与えた偉大な作品。

 

人間の3大欲求が不気味かつエロチシズムに

満ちた、美しい作品。

 

・ミッドサマー(2019年)

by カエレバ

 

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