ナルコスの登場人物とゆかいな仲間たち

ナルコスが面白過ぎて、見終わってしまってこれからどうしようかと悩んでいませんか?そんな時、時系列に関係なく、横断的に、境界を超越するカッコイイ悪のカリスマやダークヒーローの世界観に浸り続けたい人のためのサイトはこちらです

ボーダーライン & ボーダーライン ソルジャーズ・デイ(あらすじ・ネタバレ)


映画『ボーダーライン』本予告

 

■ボーダーライン

原題 Sicario

製作 2015年

製作国 アメリカ

 

作品概要

言わずもがなのナルコスS2と並んで2016年間ベストの1本。期待値が高かったものの、それを上回る完成度で、蒼々たるスタッフ陣(監督 ドゥニ・ヴィルヌーブ
脚本 テイラー・シェリダン、撮影 ロジャー・ディーキンス、音楽 ヨハン・ヨハンソン)と、その想いを見事に体現化したキャストにより、冒頭から終わりまでまさに麻薬のように研ぎすまされていた。続編を待っている今このタイミングで、あの公開当時を思い出して鑑賞し・覚醒すべし。

また、後半は気になる続編の監督ステファノ・ソッリマの暗黒街についての特集あり。

 

 

 

スタッフ

監督 ドゥニ・ヴィルヌーブ
製作 ベイジル・イバニク
   エドワード・L・マクドネル
   モリー・スミス
   サッド・ラッキンビル
   トレント・ラッキンビル

脚本 テイラー・シェリダン
撮影 ロジャー・ディーキンス
音楽 ヨハン・ヨハンソン

 

キャスト

・ケイト・メイサー/エミリー・ブラント
・アレハンドロ/ベニチオ・デル・トロ
・マット・グレイヴァー/ジョシュ・ブローリン
・レジー・ウェイン/ダニエル・カルーヤ

・テッド /ジョン・バーンサル
・マニュエル・ディアス /ベルナルド・サラシーノ
・ギレルモ /エドガー・アレオラ
・シルヴィオ /マキシミリアーノ・ヘルナンデス

・ファウスト・アラルコン /フリオ・セサール・セディージョ

 

 

あらすじ・ネタバレ

FBIの捜査官ケイト・メイサーは、誘拐事件の人質を救うため、アリゾナ州の荒野にたたずむ一軒家に強行突入する。そこで信じがたい光景を目の当たりに。壁の中に腐乱した死体が何体も隠されていたのだ。実はその家は、メキシコの麻薬組織ソノラ・カルテルのアメリカ側のボス マヌエル・ディアスの所有物だった。ソノラ・カルテルとディアスの追跡を担う特殊チームの一員となったケイトは、アリゾナ州の空軍基地へ赴く。チームのリーダー・マット・グレイヴァーに迎え入れられ、小型ジェットに乗り込むと、機内にはアレハンドロという見知らぬ男が。彼は、麻薬カルテルの内情を知る作戦に携わっているコンサルタントだという。メキシコ・フアレスへ向かう中、作戦について何も知らされていないケイトはグレイバーに説明を求めるが、なぜか具体的なことを明かされない。
メキシコに到着した一行は、武装した現地警察の先導の元フレアス市内へ。途中ケイトは、麻薬カルテルが見せしめのために殺した人々の惨たらしい死体を目にする。街はカルテルに完全に支配されていた。チームは、ある施設でソノラ・カルテルのフアレス側のボス ディアスの従兄弟・ギエルモを確保。アメリカの国境手前で渋滞に巻き込まれたとき、カルテルの襲撃を悟ったチームは敵に銃撃を浴びせ、皆殺しにしてしまう。民間人が犠牲になるかもしれない、めちゃくちゃなやり方にケイトはマットを激しく非難。しかし、「これが現実だ」と一蹴されてしまう。
アリゾナに戻ったケイトは、カルテルを混乱に陥れ、アメリカのどこかに潜むディアスをメキシコに呼び戻させるという作戦を聞く。上手くいけば、ファウスト・アラルコンの居場所が分かるという。彼らの真の狙いはディアスではなく、ソノラ・カルテルのナンバー3ファウスト・アラルコンだった。宣言通り混乱を引き起こすため、金融機関に現れたカルテルの資金洗浄屋を拘束してディアスの口座を凍結。ケイトは、手荒な手段でなく、合法的にディアスを捕まえようと訴えるが、聞き入れてもらえず、苛立ちを押さえられない。そんな折りケイトは、パートナーのレジーとともに出掛けたバーで出会った男・テッドと関係を持ってしまう。テッドはカルテルに関わる汚職警官だった。殺されそうになったところにアレハンドロが現れ、命を助けられる。アレハンドロとマットに自分が囮として使われたことを知り、何も信じられず、無力感に打ちのめされるケイト。
やがてチームは作戦通り、ディアスをメキシコに呼び戻すことに成功。カルテルが密輸に使うトンネルを襲撃することに。ミッション直前、ケイトは自分が都合よく利用されていたことを知らされる。さらに、アレハンドロがチームに参加した目的は、麻薬カルテルによって妻と子の復讐を果たすためだったことが明かされる。CIAは彼を利用し、コロンビアの麻薬組織による一党支配が再び確立されることを狙っていた。善と悪のボーダーラインはどこなのか。揺らぐケイトは、それでも作戦の全貌を見届けるため、ミッションに参加するが、さらなる非情な現実に直面させられることとなる。

 

 

■キャラクター紹介
 

 

 

ケイト・メイサー
FBIで誘拐事件を担当する捜査官。強い正義感を持ち、特殊チームへのスカウトを受ける。

キャスト:エミリー・ブラント

 

エミリー・ブラントの代表的出演作

 

イントゥ・ザ・ウッズ
 

 

 

 メリー・ポピンズ リターンズ

 

 

マット・グレイヴァー
超法規的行動を取れる権限を持つ特殊チームのリーダー。国防相の顧問と名乗るが、実はCIA。

キャスト:ジョシュ・ブローリン

 

ジョシュ・ブローリンの代表的出演作

 

アベンジャーズ/エンドゲーム&インフィニティ・ウォー

 

 デッドプール2

 

 

アレハンドロ
謎めいた寡黙なコロンビア人。「幽霊」の通り名がある。
ファウスト・アラルコン(ソノラ・カルテルのナンバー3)殺害という目的が同一のCIAと結託し、「国防総省のコンサルタント」の肩書で特殊チームに参加している闇を抱える元検事。正体は麻薬カルテルであるソノラ・カルテルにより妻と子を殺され、復讐の鬼と化す、コロンビアの麻薬カルテルのメデジン・カルテルに雇われる殺し屋。戦闘能力が非常に高く、目的のためには手段を選ばない。
アレハンドロ役について、この映画はフィクションのため、モデルはいないとベニチオ・デル・トロはインタビューで語っている。

キャスト:ベニチオ・デル・トロ

 

ベニチオ・デル・トロの代表的出演作

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

 

 

レジー・ウェイン

FBIでケイトの相棒で友人。終始蚊帳の外。

キャスト:ダニエル・カルーヤ 

 

ダニエル・カルーヤ の代表的出演作

 

ゲット・アウト

 

ブラックパンサー

 

 

テッド

レジーの友人の警察官。

キャスト:ジョン・バーンサル

 

マニュエル・ディアス

ソノラ・カルテルのアメリカ側のボス

キャスト:ベルナルド・サラシーノ

 

ギレルモ

マニュエルの従兄弟でソノラ・カルテルのフアレス側のボス。

キャスト:エドガー・アレオラ

 

シルヴィオ

ソノラ・カルテルに買収されているメキシコ警察の警官。

妻と息子と暮らしているが、パトカーを使って麻薬の運び屋をしている。

キャスト:マキシミリアーノ・ヘルナンデス

 

ファウスト・アラルコン

ソノラ・カルテルのナンバー3、今回のラスボス。

キャスト: フリオ・セサール・セディージョ

 

 

■名場面ハイライト(評価・解説・考察)

ドゥニ・ヴィルヌーブ による、ドゥニ・ヴィルヌーブ の最高傑作であり、そしてドゥニ・ヴィルヌーブ らしい特殊構造を持った映画。ラスト30分でアレハンドロの無双シーンを際立たせるため、映画を観ているこちらも思いっきり、陽動作戦にハマってしまった。我々はケイトと共にメキシコ麻薬戦争の地獄巡りライド映画(次々と現れては消える怪奇的な現象)に放り込まれる。そして、最後にはそのライド映画ですらなくなってしまい、結局ケイト自身は肝心な所は関与できずに終わってしまうが、我々はアレハンドロの真の姿を観る事が出来たのだからこんなに幸せな事はない。

 

しかも、これだけではなく、現時点で詳細は不明だが、次作はアレハンドロの正体がわかった所からスタートするわけだし、ソノラ・カルテルのボス(麻薬王)が登場するはずだから、地獄巡りどころか、全面衝突を繰り広げるメキシコ麻薬戦争で地獄絵図となるジェットコースタームービー(ノンストップな展開の連続で、アドレナリンがとまらない)となるのは間違いない。そんな監督に大抜擢されたのが、イタリアで暗黒街という新たな大傑作イタリアン・フィルム・ノワールを撮ってしまった、ステファノ・ソッリマなのだから、とんでもない作品になるの期待大である。イタリアの名手がメキシコを麻薬戦争をどう表現し、新たなる世界を観せてくれるのか、楽しみでしかたがない。

 

 

 

PS ボーダーライン2の監督ステファノ・ソッリマについて

 


『ボーダーライン2』日本語字幕付き予告編(Sicario 2: Soldado )

 

ドゥニ・ヴィルヌーブの継承者、

ボーダーライン2の公開前に、

イタリア人監督のステファノ・ソッリマ作品「暗黒街」は絶対に必見だ。

 

これは今でこそ冷静に文章を書いているが、

初見時、物凄い才能が出てきたと思った。

ステファノ・ソッリマ。噂には聞いていたものの、どんだけ。

 

ステファノ・ソッリマは、ゲーム『コール オブ デューティ』のMCUのような映画ユニバースが企画されており、ゲーム原作の映画&TV作品として、これまで誰も成功していない、商業的&批評両面での成功を目指す模様とのことが報じられているが、この企画の監督として交渉中との事で是非実現して欲しい。

 

ニコラス・ウィンディング・レフン級にアートでバイオレンスな映像美と、ジョゼ・パリージャ的な社会派作家とアクション演出も出来るエンタメ性の両立し、両者のいい所取りしたような超絶センスの持ち主でトンデモな逸材だ。

ドゥニ・ヴィルヌーヴのボーダーライン魂を継承するのに相応しいにも程がある。

 

 

 

(ニコラス・ウィンディング・レフン監督のドライヴ(2011年)のオープニング)


Drive (2011) - Opening Credits Scene - Car Chase

 

 

 

暗黒街の見所は、

レフンmeetsジョゼ・パリージャと評した

魅力的な登場人物たちとオールローマロケーションも相まって、

イタリアン・フィルム・ノワールの世界観。

 

但し、キャラクターが多数登場するので、まとめておく。

わかりにくいのは、多分ギャングたちであろう。

あと、役名と別で通称名(あだ名)が多い。

 

この映画の世界では大きく、3つのギャングが存在している。

ローマのサムライ率いるギャング(別格)、

オスティアのアウレリアーノがボスのギャング、

ロマのマンフレディ・アナクレティがボスのギャング。

 

この3つのギャングの関係性は、

サムライは別格の頂点に君臨していて、

オスティアとロマのギャングは対立関係にある。

この辺はドラマ版に詳しい。

 

映画版だけ観たいのであれば、これだけおさえておけばとりあえずOKだが、

映画版に実は細かい設定があるものの、一回観ただけで理解するのは不可能なので、

前日譚を抑えた上で、

映画版に再度浸る事ができる映画→ドラマ→映画の観賞順がオススメ。

 

 

 


暗黒街 - 映画予告編

 

 

暗黒街(2015)

 

 

2011年カジノ計画等の法案成立を目論む大物議員と通じる裏社会を牛耳る伝説のマフィア等の利権争いが幕をあげた。黙示録のカウントダウンが意味するものとはー。

 

この新たなるイタリアン・フィルム・ノワールにより、監督ステファノ・ソッリマは、Netflixで暗黒街のドラマ化、ボーダーライン続編抜擢も納得の大傑作だ。

 

 

 

■暗黒街(2015)のメインキャラクター紹介 

 

フィリッポ・マルグラーディ

(通称:ピッポ)与党の大物議員。

キャスト:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ -

 

サムライ

伝説的ローマのギャングのボス。

キャスト:クラウディオ・アメンドラ

 

アウレリアーノ

(通称:ナンバー8)父親が死んで、オスティアのギャングの若きボスとなっている。

キャスト:アレッサンドロ・ボルギ

 

ヴィオラ

アウレリアーノの情婦。ヤク中。

キャスト:グレタ・スカーアーノ

 

マンフレディ・アナクレティ

ロマのギャングのボス。アルベルトの兄。

キャスト:アダモ・ディオニージ

 

アルベルト・アナクレティ

(通称:スパディーノ)マンフレディの弟。

キャスト:ジャコモ・フェラーラ

  

セバスティアーノ

(通称;セバ) イベント屋。

キャスト:エリオ・ジェルマーノ 

 

セバの父

キャスト:アントネッロ・ファサーリ

 

ベルシェ枢機卿:

キャスト:ジャン=ユーグ・アングラード

  

ニンニ

ピッピお気に入りの娼婦。 金髪

キャスト:ジュリア・エレットラ・ゴリエッティ

 

イレーナ

ピッピお気に入りの娼婦。 短髪の娼婦。

 

 

 

 暗黒街(2017)

 


Suburra | Official Trailer [HD] | Netflix

 
暗黒街(2017)は、Netflixで制作されたドラマ版のシーズン1。

ドラマ版も映画版が何倍も楽しくなる完成度の高い前日譚だ。

 

ドラマ版は映画版から遡り、

2008年の港町開発計画の土地を巡る抗争となっている。

映画版を踏襲して、

前日のカウントダウンが各エピソードでオープニング後に表示される。

 

 

登場人物 3人の若者を中心に考えると、わかりやすい。

そのうち2人は、若きアウレリアーノとスパディーノ。

主要キャストも同じ。

 

 

 

■暗黒街(2017)のメインキャラクター紹介

  

アウレリアーノ・アダミ

映画版のナンバー8で、この時は3人組の金髪。オスティア(ローマ近郊)のギャング。

 

アルベルト・アナクレティ(スパディーノ)

3人組モヒカン。高利貸しファミリー ロマのギャングでマンフレディの弟

 

ガブリエレ・レレ

3人組の坊ちゃん役。警官の息子だが、ちょっとした麻薬の売買に携わり、どんどん大きな問題に発展してしまう。

 

 

トゥリオ・アダミ

金髪の父親 オスティアギャングのボス。

 

リウィア・アダミ

アウレリアーノの姉 。

 

キリノ

アダミファミリーの会計士。

 

マンフレディ・アナクレティ

ロマのギャングのボス。スパディーノの兄。

 

ボリス・アナクレティ

センターパート・サイドとバックを刈り上げ。マンフレディとスパディーノのいとこ。

 

アンジェリカ

スパディーノの嫁。

  

フランコ・レレ 

アルベルトの父親。警察官。

 

市長

辞任する予定だが、ほとんどでてこない。

 

チナリーチャ

理想家 建設委員長 スキンヘッド

 

テオドリオ

バチカン市国司教だが、サラ・モナスキの言いなり。

 

サラ・モナスキ

ガブリエレからパーティ用の薬を買ってる。司教の監査役。

 

イザベル

黒人娼婦。テオドリオ司教が買春。

 

サムライ

ローマを牛耳る裏世界の帝王。

 

 

 

このようにボーダーライン2は、

キャストのベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンは続投。

日本公開までにボーダーラインはもちろん、暗黒街を観て備えるべし。

 

 

 

さいごに、

サントラについても綴りたい。

 

 

一生聴ける音楽」
 
ヨハン・ヨハンソンの音楽を一言で形容するならば、つまりはそういうことだ。
スコアのみ全18曲。飽きることのないインストは、無駄を省いたストイックなスタンスが、この映画をー、強いては彼の生き様を強く刻印しているように響くのは、異を唱える者は皆無であろう。まさしく紛れもなく最高の一枚に仕上がっている。
もちろん、いつでも、どこでも、誰とでも、毎日聴くような音楽ではないけれど、この映画を観る前や観た後には絶対に欠かすことの出来ない絶対的存在、それがヨハン・ヨハンソンという希有な才能だ。特に、この映画のハイライトと言ってもいいのが、#2のThe Beastであろう。耳にする誰もが鳴り響く重低音により、この映画に登場する彼の地に無意識のうちに引きずり込まれてしまったかのような錯覚を引き起す程に、没入度の高い渾身の傑作、中毒度数の高い代表的なナンバーだ。
惜しむべくは、ヨハン・ヨハンソンは2018年2月9日に48歳という若さで他界している。ヨハン・ヨハンソンが本作の監督であるはドゥニ・ヴィルヌーヴと組んだプリズナーズやメッセージの他にも代表的で必聴なディスコグラフィーは以下の通り。
・マザー! mother!(2017年)
・マグダラのマリア Mary Magdalene(2018年)
・マンディ 地獄のロード・ウォリアー Mandy (2018年) ※遺作
 

追悼 ヨハン・ヨハンソン。

 

 

追記:

続いては、

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ評。

 

 

 


『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』海外版ロング予告

 

■ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ

原題 Sicario: Day of the Soldado

製作 2018年

製作国 アメリカ

 

作品概要

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイについては、個人的にぶっちぎりでの2018年の堂々の年間ベスト。前作とは異なるテイストなものの(いやむしろこっちのが好き)、圧倒的な続編として仕上がっている。主演は前作から引き続きベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン。スタッフは脚本テイラー・シェリダン以外入れ替わっているが、監督ステファノ・ソッリマ、撮影ダリウス・ウォルスキー、音楽ヒドゥル・グドナドッティルが交差する時、信じられない描写が連続する。緊張感は振り切れマックス!‪この生々しさは‬、兎に角観るべし!!

また、後半はついにソフト化された2012年にステファノ・ソッリマが監督したバスターズについての特集。

 

 

 

スタッフ

監督 ステファノ・ソッリマ
製作 ベイジル・イバニク
   エドワード・L・マクドネル
   モリー・スミス
   サッド・ラッキンビル
   トレント・ラッキンビル

脚本 テイラー・シェリダン
撮影 ダリウス・ウォルスキー
音楽 ヒドゥル・グドナドッティル

 

キャスト
・アレハンドロ/ベニチオ・デル・トロ
・マット・グレイヴァー/ジョシュ・ブローリン
・イザベラ・モナ/イザベル・レイエス
・マシュー・モディーン/ジェームズ・ライリー
・キャサリン・キーナー/シンシア・フォード
・ジェフリー・ドノバン/スティーヴ・フォーシング
・イライジャ・ロドリゲス/ミゲル・エルナンデス
・マヌエル・ガルシア=ルルフォ/ギャロ
・デビッド・カスタニーダ/ヘクター

 

 

 

■あらすじ・ネタバレ

テキサス州のアメリカ・メキシコの国境。メキシコの麻薬カルテルの収入源は麻薬だけでなく、密入国者からの手数料も大きな割合を占めるようになっており、密入国者達が後を絶たない。

米国境警備隊が密入国者を補足・拘束するが、1人の男が国境を越えを失敗し、起爆剤とともに爆死する。ミズーリ州カンザスシティでは、テログループがショッピングストア内で自爆テロを行っており、子供を含め多数の死傷者が発生。これにより、アメリカ政府はメキシコからテロリストの密入国が行われているのではという懸念から、CIA特別捜査官マット・グレイバーを雇い、テロリストを密入国させていると疑われるメキシコ麻薬カルテル殲滅に挑む。任務を命じられたマットは、ストア爆発事件の犯人と思われる密入国テロリストの関係者として、ソマリアの海賊のボスであるバシーを尋問する。マットはバシーからメキシコのレイエス・カルテルからの資金でイエメンからメキシコ行きの輸送船を見逃す契約をしていたという情報を得る。メキシコでは、ミゲルという青年が学校をサボり従兄弟のヘクターと国境付近で大麻を吸っており、ヘクターはミゲルにマタモロス・カルテルに入ると大金が稼げると誘われ、渋々ながらも参加することに決める。

レイエス・カルテルの情報を得たマットは、コロンビアにいる旧知の仲であるアレハンドロに協力を依頼。マットからルール無用の自由を与えられたアレハンドロは、アメリカ政府は表に出ずに、麻薬カルテル同士の抗争(レイエス・カルテルと敵対している、国境で密入国を仕切っているマタモロス・カルテルとの同士討ち)へと仕向ける戦略を立てる。そのためには、どうしても極秘裏に麻薬王カルロス・レイエスの娘イサベル・レイエスの誘拐が必要だった。事のはじめに、マタモロス・カルテルの弁護士を急襲・粛正(予告編でも使われて話題となっていた衝撃の“デル・トロ撃ち”が披露される)を実行し、抗争の火種をつける。イサベル誘拐も予定通り順調に進む。一方、ミゲルはヘクターに連れられ、マタモロス・カルテルのボスであるガヨと会い、密入国者の管理を任されるようになる。

イサベル誘拐護送中、マットのチームはレイエス・カルテルの息がかかったにメキシコ連邦警察に待ち伏せされ襲撃を受けてしまい、激しい銃撃戦となる。このどたばたに紛れて、イサベルは逃走してしまう。ここでマットのチームは2手に別れ、相互の様子が交互に描かれる。アレハンドロは1人イザベルを追跡、負傷者が出たマットのチームは国境を越えて作戦拠点に引き返すことになる。自体は悪化する一方で、メキシコ警官を25人も殺した事と、カンザスでの自爆テロの実行犯は麻薬カルテルとは無関係だったことを知らされる。メキシコとの関係悪化を恐れたアメリカ政府が一方的に作戦を中止させ、オペレーション停止の証拠人としてアレハンドロとイザベルを殺害するよう命令を下す。政府の作戦中止に翻弄され、アレハンドロとイサベル殺害をためらうマット。アレハンドロも、イザベルを殺害しろと言われながらも、自分の娘の姿をイサベルに重ね救おうとする。イザベルをアメリカに蜜入国させる事ができれば、イザベルが助けられる可能性に賭け、密入国を斡旋する組織に潜入に試みる。マットのチームは命令を無視して、アレハンドロとイザベルを救出に向かう準備をしている。ところが、アレハンドロとイサベルはガヨたちに素性がばれてしまい、捉えられる。

ミゲルは拘束されたアレハンドロの処刑をガヨから命じられて実行する。アレハンドロはイザベルの目の前でミゲルに顔を撃たれてしまい、生死不明の状態となる。ミゲルはアレハンドロ銃撃後、マットのチームがガヨのチームを皆殺しする危険を察知したかのように、走っている車から一人チームを離脱する。その直後、ミゲルが察知した近未来のようにマットのチームがヘリコプターでガヨのチームを急襲・粛正。マットはイザベルだけを助け出し、証人保護プログラムのサポートを受けさせるつもりでヘリコプターに乗せる。一方のアレハンドロは、死の淵からよみがえる。マット達が粛正したギャングたちから武器や車を奪って走り出す、生きながらえるために。

物語の舞台は1年後。身体中にタトゥーだらけとなって容姿が変貌したミゲルはフードコートで働いていた。アレハンドロは、自分を撃った少年であるミゲルの目の前に現れ、「シカリオになりたいのか?」と問い、扉が閉められと共に物語の幕は閉じる。

(そう、ゴッドファーザーのエンディングのようにー。)

 

 

 

 (コッポラ監督のゴッドファーザー(1972年)のエンディング)


The Godfather 1 - Michael and Kay, final scene

 

 

 

■キャラクター紹介
  

 

アレハンドロ・ギリック
コロンビア人で元検事。正体は麻薬カルテルであるソノラ・カルテルにより妻と子を殺され、復讐の鬼と化す暗殺者。マットと共に動いているが、国家の命により動くマットとは違って、アレハンドロを突き動かしている私怨のみだったが、今回イザベルを娘と重ねる人情味が見られた。
キャスト:ベニチオ・デル・トロ

 

ベニチオ・デル・トロの代表的出演作

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
 

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

 

 

マット・グレイヴァー
旧知のアレハンドロと共に協力体制の元、メキシコ麻薬特別大作チームのリーダーで、超法規的行動を取れる権限を持つCIA特別捜査官。

キャスト:ジョシュ・ブローリン

 

ジョシュ・ブローリンの代表的出演作

 

アベンジャーズ/エンドゲーム&インフィニティ・ウォー

 

 デッドプール2

 

 

イザベル・レイエス

今回、事情を良く知らされず巻き込まれる立場の女性となる。麻薬王カルロス・レイエスの末娘である16歳の少女。

アレハンドロの家族を殺した麻薬組織の長の娘で、今回の作戦のためにマットたちに拉致される。

キャスト:イザベラ・モナ

 

ジェームズ・ライリー

アメリカ国防長官。

キャスト:マシュー・モディーン

 

シンシア・フォード

CIA副長官で、マットの上官。

キャスト:キャサリン・キーナー


スティーヴ・フォーシング

マットの同僚で、特殊任務を共にする。アレハンドロ・マットと共に前作からの続投キャラクター3人目で、今回は大幅に出演時間が多くなった。

キャスト:ジェフリー・ドノバン


ミゲル・エルナンデス

ヘクターの誘いでカルテルの世界に足を踏み入れた14歳の少年

キャスト:イライジャ・ロドリゲス

 

ガヨ

マタモロス・カルテルの支配者。

マヌエル・ガルシア=ルルフォ


ヘクター

ガヨを慕っているミゲルの従兄弟。

デビッド・カスタニーダ

 

 

■名場面ハイライト(評価・解説・考察)

本作はステファノ・ソッリマとテイラー・シェリダン の最高傑作であるのは間違いない。前作は特殊構造を持つアート寄りの映画だったのに対し、今回は対照的にステファノ・ソッリマらしく、最初から最後まで正面衝突のパワーゲームによるバイオレンス描写は現実に起こっている様をも反映させ、想像以上だった。

また、登場するキャラクターの素性が暴かれた世界で繰り広げる最初から最後まで全力投球による前作をリスペクトしつつ異なる世界観&若い2人のイニシエーションを絡ませた、キャラクターの成長に楽しみを見いだせる見事な創造性、脚本への力の入れようが大変素晴らしい。

そして、ステファノ・ソッリマ の持ち味で、本作のテーマでもある、正義と悪の境界線のぐらつきはもはや計測不可能な程振り切っている。特に、アレハンドロが手話で聾夫婦と子供について話すシーンが印象的で、アレハンドロが良き父親だったことを思わせ、彼が抱える過去の痛みが垣間見えた。暗殺者でありながら、任務の遂行と少女の命を天秤にかけ、人間としての良心を表現する、葛藤と決断は印象的だった。一方、その場面と対比させながら描かれるアメリカ政府から一方的な作戦の中止と2人の粛正命令。もっとも人間味がなく冷血なのは、あっさりと人を切り捨てる政府側である、そんなメッセージも込められているように感じた。

 

 

 

気になるサントラについてのあれこれ

ヨハン・ヨハンソンが残念ながら亡くなり、本作の監督がドゥニ・ヴィルヌーブからステファノ・ソッリマへ、安堵と共に受け渡されたように、ヨハン・ヨハンソンからヒドゥル・グドナドッティルというヨハン・ヨハンソン愛弟子へ受け継がれている。

これが前作を見事に(いやむしろそれ以上かもしれない)体現し、より一層ダークに、ディープに、研ぎすまされた音の表現を持たせているは、ヨハン・ヨハンソンへのリスペクトの賜であろう。そして最後に鳴り響くThe Beast。このシーンはついては、いつ・どこで・何度観ても痺れるばかり。

このヨハンソン愛弟子、ヒドゥル・グドナドッティルの代表的なディスコグラフィーもまた必聴なのは喜ばしい限りである。
・マグダラのマリア Mary Magdalene (2018) ※ヨハン・ヨハンソンと共作
・チェルノブイリ Chernobyl (2019) ※テレビシリーズ
・ジョーカー Joker (2019)
 
 

 

 

 

 

さいごに、

完結編である3部作では未回収となっているピースがどのようにハマってくるのか。

最終的にどこにボーダーラインが引かれ、若い2人はどこまで成長し、レイエス・カルテルとの決着によりシカリオの復讐の連鎖に終わりは訪れるのか等、、、。

地獄のスパイラル最前線への興味が尽きる事はない。

 

 

 

PS

2012年にステファノ・ソッリマが監督したバスターズについて 

 


『バスターズ』予告

 

バスターズは確かに暗黒街ほどの衝撃ではなかったものの、

ステファノ・ソッリマの原点となるので見逃せない必見作だ。

 

 

暗黒街についての特集(映画版・Netflix版のメインキャラクター紹介他)はこちら↓

www.narcos.site

 

  

ついにソフトも解禁されたそんな本作の見所は、

・映画祭で3冠に輝いたリアルポリスアクション

・それぞれ問題を抱えながらも支え合う個性的なキャラクターたち

・次第にエスカレートする隊員達のぐらつく善悪の是非の心理描写

 

そしてこれらを最大限に盛り上げる音楽の使い方。

オープニングのThe White StripesのSeven Nation Armyから始まり,

エンディングのKasabianのClub Footで締めるまで、

手垢のつきまくっているアゲアゲのキラーチェーンだが、

あえてふんだんに使ったこのセンスって、、、

イイと思う!!

他にもこれら↓が畳み掛けるように流れる!!

 

"New Dawn Fades" by Joy Division 

"Snow" by The Chemical Brother

"Police On My Back" by The Clash

"Where Is My Mind?" by Pixies

 

 

 

バスターズ(2012) のあらすじ

 

原題 ACAB All Cops Are Bastards (すべての警官はクソ!!!)

デモや暴動といった危険な現場の最前線で活躍するイタリア国家警察機動隊の警官たち。危険の最前線に身を置きながら、市民からは目の敵にされている。それでも職務を全うしようとする機動隊員たちを、リアルアクション・複雑な人間模様・正義や正しさの境界線がぐらつく心理描写を交えながら描く。

モスクワ国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか3冠に輝いたポリスアクション。他にも、イタリア・アカデミー賞に相当するダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では6部門ノミネート。

仲間思いの凄腕隊員コブラは、市民に対する過剰防衛で裁判にかけられる。リーダーのマジンガは極右組織に出入りする息子に頭を抱え、熱血漢のネグロは職務に夢中になりすぎて妻に家を追い出されるなど、それぞれ問題を抱えていた。また、カルレットは元機動隊員で、何か問題があれば3人の手助けをしていた。新人隊員のアドリアーノは入隊当初は問題を起こしてばかりで、先輩たちに手厚い歓迎をされていくうちに、徐々に隊員の一員として成長していく。

そんなある日、暴動の最中にリーダーのマジンガが重症を負ったことをきっかけに、隊員たちは自ら犯人探しに乗り出す。本来の職務を逸脱した行為はやがて暴走を始め、とんでもない事態を引き起こすことになる・・・。 

 

 

 

 ■バスターズ(2012)のメインキャラクター紹介 

 

イタリア国家警察機動隊

 

コブラ

仲間のプライバシーの問題解決や新人教育にも余念がない仲間思いの凄腕隊員だが、行き過ぎた捜査などで暴力沙汰になることもしばしば。

キャスト:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ

(暗黒街でフィリッポ・マルグラーディ(与党の大物議員)を演じた俳優)

 

ネグロ

考える前に手が出るタイプの熱血隊員。家庭でもトラブル続きで、妻ミリアムに離婚を迫られ、娘カロリーナと別居を余儀なくされる。

キャスト:フィリッポ・ニグロ

 

マジンガ

機動隊のリーダー。マリア(マジンガの妻。キャスト:ロバータ・スパーニューオロ)と共に、息子ジャンカルロに手を焼いている。

キャスト:マルコ・ジャリーニ

 

カルレット

元機動隊員。ゾーンダイエット(タンパク質:脂質:炭水化物=40:30:30)に励んで、マジンガと張り合っている。

キャスト:アンドレア・サルトレッティ

 

アドリアーノ

言う事を聞かない生意気な新人隊員。母と暮らす家から強制退去を迫られイラついている。

キャスト:ドメニコ・ディエーレ 

 

 

まとめ

このようにバスターズも、

ナルコスト必修科目のポリスアクションとしても、

ステファノ・ソッリマ作品としてもオススメ。