Bad Boys II - Trailer
■バッドボーイズ2バッド
原題 Bad Boys II
製作 2003年
製作国 アメリカ
作品概要
真夏にはやっぱりコッテリした油っぽくて濃厚なしつこいやつが観たくなる!そんな時は、爆発!車!いい女!のマイケル・ベイ映画がうってつけだ!来年には17年振りのシリーズ3作品目(こちらはマイケル・ベイ監督ではない)のバッド・ボーイズ・フォー・ライフの公開が決定しているバッドボーイズ2バッドを今こそ観しかない!
というわけで、勝手に開催していた真夏のマイケル・ベイ祭りの締めくくりに、不世出な才能が爆発した世紀の大傑作、マイ・マイケル・ベイ・ベスト映画でもある、バッドボーイズ2バッドを鑑賞することで、様々なバイアスから脱却し、本来の自由な自分を取り戻してもらう処方箋として本稿を綴りたい次第である。
また、後半は気になるシリーズ3作品目となる続編「バッド・ボーイズ・フォー・ライフ」の監督アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーによる前作「ギャングスタ」についての特集だ。
スタッフ
監督 マイケル・ベイ
音楽 トレバー・ラビン
キャスト
・マイク・ローリー/ウィル・スミス
・シドニー・“シド”・バーネット/ガブリエル・ユニオン
・テレサ・バーネット/テレサ・ランドル
・ハワード警部/ジョー・パントリアーノ
他
■あらすじ・ネタバレ
アムステルダム。ある麻薬について、製造工場から輸送、販売まででを取り仕切っている男がいた。エクスタシーの麻薬王、マイアミのジョニーである。一方、マイアミ警察は麻薬取引の情報を得て、取引場所であるKKK集会(白人至上主義の秘密結社)に警察官を潜入させていた。潜入していたマイクとマーカスは、変装を解いて銃を取り出すと、激しい銃撃戦へ発展。しかし、決定的な情報は得られずにマイクとマーカス落ち込む。マーカスの妹であるシドは、麻薬捜査のおとり捜査官(DEA)として働いていた。ロシアマフィアのアレクセイに接近しており、取引後の現金を輸送中にハイチのギャング団に襲われる。マイクとマーカスも巻き込み、ギャング達との激しいカーチェイスが繰り広げられる。マーカスがシドにおとり捜査の件を咎めるも、シドはマイクとともに任務のためだとマーカスを諭す。また、マイクとマーカスは、ハワード警部から街が滅茶苦茶になっている事で詰め寄られ、何としてでも捕まえるよう、2人に指示が出る。
マイクとマーカスは情報屋を揺すり、ハイチのギャング団の潜伏先であるピンクハウスを急襲。潜伏先を制圧して、情報を聞き出そうとし、結果的にビデオカメラを手に入れる。2人は警察署に戻り、巨体ハッカーであるフレッチャーにビデオカメラの解析を依頼し、パーム葬儀社という組織がジョニーにつながっていることを突き止める。マイクとマーカスは害虫駆除業者に扮し、ジョニーの家に侵入し、シュレッダーされた紙を持ち出そうとし、監視カメラをつけたりした。時を同じくして、屋敷内ではジョニーとアレクセイが取引を行っていた。アレクセイがジョニーの支払いを減らすことに腹を立てたジョニーがアレクセイの腹心をバラバラに惨殺してしまう。マイクは台所に残されていた男の指を発見し、マーカスと共に急いで屋敷から逃げ出した。指を警察署内へ持ち帰り、男の指の指紋を調べると、ロシア・マフィアの副官だと判明する。また、フレッチャーがシュレッダーされた紙を調べた結果、「デキシー7」という名前の船の写真であることが判明する。船の所有者はフロイド・ポティートという人物で、映画冒頭のKKK集会でマイクが耳を吹き飛ばした男であった。マイクとマーカスは、フロイドを脅し、デキシー7の場所とジョニーとの関係を迫り、情報を得ると、ジョニーの受け渡し場所を見張った。情報によると、棺は陸路で葬儀社へと運ばれようとしており、激しいカーチェイスにより、葬儀社の車からは遺体が飛び出し、道路上は地獄絵図の修羅場と化す。結局、葬儀社の車を運転していた男にも逃げられ、棺も消えていた。マイクは運転手を追いかけるが、格闘の末もむなしく、運転手は線路上で電車に轢かれて亡くなってしまう。マイクとマーカスは、もたもハワード警部から絞られる。
それでもめげずにマイクとマーカスは、ジョニー逮捕の令状をとるため、証拠を集めに動く。葬儀社に侵入、棺の中を調べた。棺の中には現金、遺体の中にはエクスタシーが入っており、密輸の決定的証拠となる手口を押さえる事ができた。マイクとマーカスはその足で真夜中にハワード警部の家を訪ね、葬儀社で撮った証拠の写真をハワード警部に見せた。ついに、ジョニーへの逮捕状が下り、マイクとマーカスたちは、3か所同時(屋敷と葬儀社と船)に、手分けして襲撃することになった。しかし、屋敷には任務を遂行中のシドがいた。同時刻に、アレクセイが復讐のために、単身屋敷に乗り込んできたが、へべれけのアレクセイはあえなく警官に射殺される。ジョニーにDEAだとバレてしまったシドは、キューバへと連れ去られてしまう。マイクとマーカスは、ヘリコプターに乗り込み、シドの救助へと向かった。てんやわんやの大騒ぎの末、ジョニーを射殺、シドを救出。任務は成功し、エンディングを迎える。
PS マーカスの尻負傷に伴う男性機能低下及び
シドとマイクの恋事情は割愛しておりますので、本編お楽しみください。
■キャラクター紹介

もはや説明不要のゴールデンバディ、マイアミ市刑事マイクとマーカス。
マイク・ローリー(写真:左)
キャスト:ウィル・スミス
マーカス・バーネット(写真:右)
キャスト:マーティン・ローレンス
シドニー・“シド”・バーネット
今回初登場でヒロインのマーカスの実妹。マーカスには秘密でマイクとこっそりいい関係になっている。連邦麻薬局(DEA)なのに書類整理ばかりと言いつつも、現場へ潜入しており、ジョニーのエクスタシー売買の仲介人として潜伏し、密輸ルートの囮捜査官をしていた。
キャスト:ガブリエル・ユニオン
ジョニー・タピア
長髪ヒゲツラ、キューバ人とアメリカ人のハーフで端正な顔立ちのナルシストで、フロリダを拠点としてエクスタシーの売買を行っている麻薬王。今回のラスボス。
キャスト:ジョルディ・モリャ
アレクセイ
ロシア・マフィアのボス。
エクスタシー取引交渉の為にジョニーを訪れるも、返す刀でバッサリやられて、組織は壊滅状態に陥る。
キャスト:ピーター・ストーメア
テレサ・バーネット
前作から続投のマーカスの嫁。
キャスト:テレサ・ランドル
ハワード警部
前作から続投のマイクとマーカスの上司。
キャスト:ジョー・パントリアーノ
フロイド・ポティート
本編冒頭に登場するKKKのメンバーで、
マイクの撃った銃弾で左耳を吹き飛ばされた。
エクスタシーの運び屋。
キャスト:マイケル・シャノン
ほぼ全員ドレッドヘアー軍団のボス金色のドレッドヘアーの男。シドがジョニーの部下に金を受け渡そうとするところでDEAの車両を襲撃、強奪を図るハイチ系の盗賊団のリーダー。
キャスト:不明
ビキニのダンサー
クラブの場面のバックグラウンドで踊っているセクシー美女の一人は、後にトランスフォーマー1・2のヒロインとなるあの女優。星条旗柄のビキニに身を包み、テンガロンハットをかぶっている。
キャスト:ミーガン・フォックス
■名場面ハイライト(評価・解説・考察)
劇場用長編デビュー作の『バッドボーイズ』(1995年)以来、マイケル・ベイはプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーとともに映画作りをしてきた。そして、『バッドボーイズ2バッド』(2003年)で最高到達点を迎える。ブラッカイマーとベイは本作以降は袂をわかち、誰もが知っているように、ベイは以降スピルバーグと組みトランスフォーマーシリーズで超絶稼ぐ。しかし、何と言ってもベイの最高峰は本作だ。
冒頭からKKKの格好をしたマイクとマーカスのアクションからフルスロットルの乱れ撃ち。銃撃戦、爆発!カーチェイス、爆発!銃撃戦、爆発!果ては死体いじりの高等なエログロギャグまで挟む、前作からアップデートしまくりの自由過ぎる発想を大胆に映像化したそれは観るものを骨抜きにする完璧な映像ドラッグとして作用する。
そんなウィル・スミスとマーティン・ローレンスバディによる伝説的なシリーズの生みの親ジェリー・ブラッカイマー製作のもと(マイケル・ベイが続投しないのは本当に残念だが)、テレビドラマ「スノーフォール」や前作「ギャングスタ」で注目を集めているベルギー出身の監督コンビ、アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーが共同監督で撮る「バッド・ボーイズ・フォー・ライフ」は、2020年1月17日全米公開が予定されている。アップデート3.0で、どのように新たなる世界を観せてくれるのか、楽しみでしかたがない。
さらにさらに、「バッドボイーズ2バッド」でマーカスの妹シドのスピンオフドラマも決定。シドはそのままガブリエル・ユニオンが演じるとの事。バッドボーイズ旋風再来の予感ビンビン。
PS バッドボーイズ3の監督(アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラー)について
『ギャングスタ』予告
ギャングスタ(2018年のベルギー映画)
ベルギーの大都市アントワープの郊外で生まれ育った幼なじみの4人は、チンピラながらギャングの大物への憧れから、ひょんな事から大物組織を相手に麻薬戦争を引き起こすまでに発展させてしまい、しまいには、、、。
監督は本作から「バッド・ボーイズ・フォー・ライフ』の監督にまで抜擢されるほど成上りを見せたアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーコンビ。脚本までも描き、「観るべき10人の監督たち」に選出された新星。
さらに、エディ・マーフィ主演の「ビバリーヒルズ・コップ』4作目への起用も発表されている注目株なのは間違いない。
「ギャングスタ」は、新バッドボーイズの継承者らしく麻薬戦争を題材にしながらコミカルとシリアスの緩急がついたストーリー展開、愛されるべきキャラクターの作り込み、カーチェイス、爆発、銃撃戦アクション演出もお手の物。セクシーシーンや、ドラマパートの細かい気配りもできる。また、映画オタクっぽく過去の名画のオマージュ等がさりげなく散りばめられており(ゴッドファーザーやスカーフェイスに憧れて、セブンのように7つの大罪で章立てがなぞられ、タクドラのトラヴィスを模する場合等)、これにマイケル・ベイ級の狂気が宿れば文句無しなり!
ギャングスタ(2018)のメインキャラクター紹介

アダモ
本作の主人公。グッチの帽子とナイキのスニーカーがお気に入り。
キャスト:マッテオ・シモーニ
バディア
アダモの幼なじみの4人の一人で紅一点の美人キックボクサー。
キャスト:ノラ・ガリブ
ヴォルト
アダモの幼なじみの4人の一人でトニー・モンタナに憧れている。
キャスト:サイード・ボーマズーヘ
ジュネス
アダモの幼なじみの4人の一人でブレイクダンサー。
キャスト:ジュネス・ラサール
マリー
麻薬密売の大物ギャング、アダモ達の憧れの存在。
キャスト:ヴェルナー・コルフ
ヤセル
4人の幼なじみでアダモの元親友だったが、一人だけ警察官となっている。
キャスト:ナビル・マラット
さいごに
バッド・ボーイズ・フォー・ライフについて
『バッドボーイズ フォー・ライフ』予告編 2020年全国ロードショー
バッドボーイズ2バッドに関しては、これだよ!これが観たかったんだよマイケル・ベイ!!という言葉がしっくりき過ぎるくらい、自分にとってはマインドフルネス映画。
続編と言えば、これくらいやり過ぎてないともう嫌。マイケル・ベイの刻印キッチリな過剰さと、悪趣味が両立していないと、五臓六腑に染み渡らない!!
そんな自分のやりたい事を体現したであろうマイケル・ベイの バッドボーイズ2バッドには、P・ドラッカーの次の言葉が脳裏をよぎった。
「自分を、本来の自分でない誰かに変えようとして成功した人はいない。
成功したのは、本来の自分になろうとした人である」
だからもし何らかの間違いで、何かに囚われてしまい、精神が病んでしまった時、この映画(バッドボーイズ2バッド)の事を思い出し、何も余計な事は考えずに鑑賞し、本来の自分を取り戻して欲しい。そのために本稿を記したい。
願わくば、次作(バッド・ボーイズ・フォー・ライフ)もこのように、誰に遠慮もなく作られた、とんでもなくパワフルな映画であってもらいたい。完